クレメンティ、初めてのお出かけ!

コンサートのご報告をと思って書き始めました。

武久さんのゼーフェルトのスクエア・ピアノと、
私のクレメンティのスクエア・ピアノによるコンサート。
クレメンティは納入から約4か月、初めての外出!
搬出入がうまくいくか、少し緊張気味で当日を迎えました。

6月11日(日)。この日は、
古楽系コンサートの当たり日だったようで、
いくつかのコンサートが重なっていました。
そんな中で私たちのコンサートにお集まりくださった皆様!
ありがとうございました。

温かな雰囲気と熱気の中、
2台のピアノがそれぞれにウィーンとロンドンの香りを醸し出しつつ
贅沢な共演の夕べでした。

こじんまりとした、アットホームなスタジオで、
皆様のお顔の見える距離でのコンサートは
スクエアピアノにぴったりの空間。
クレメンティのソナタからはじまり、
都市と年代を追って
ピアノの「二都物語」が進行。

ベートーヴェンとドゥシークのモティーフの類似性、
メンデルスゾーンでの2台の音色の違いなど、
演奏者としてもぞくぞくしながらプログラムが進み、
最後のシューベルトの連弾曲では
自由な掛け合いと音の対比によって、この曲の面白さが際立ち、
モダンピアノでは味わえないコントラストと緊張感、
また包容力や迫力、凄みさえも感じながら演奏しました。
アンコールでは武久氏の自作もあり、
明るい雰囲気で終演。

演奏後は、飲み物とおつまみを頂きながら歓談のひと時。
「場所がわかりにくかったけれど(笑)、聴きに来てよかった!」
とのご感想をいただき、嬉しかったです。

コンサートの中で、
クレメンティ・ピアノの音は「甘酸っぱい苺クリーム味」
ウィーンのゼーフェルト・ピアノの音は
「芳醇でフルボディなワインの味」に例えられると
武久氏のお話しがありました。
今後、また音色や艶が変わると思います。
どう変化して熟成していくのかを
また皆様に聴いていただけたら、と、願っています。

2台のオリジナル楽器を一度に運ぶのには、
計画時から慎重さも必要で、
万が一の場合も考えて多角的に準備しました。
(私の工作により、お正月に作った台車に加え、
今回は渡り廊下並みの楽器用スノコが完成!(笑))
なにしろ200歳の楽器の運搬ですから、気を使います。

当日は、搬出入や歓談のセッティングなどで、
何人もの方のご協力を頂き、
滞りなく進行することができました。
本当に感謝いたします!

ご来場くださった皆様、
コメントいただけたら嬉しいです。

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