雪の日の郵便

今日の東京はとても寒く、時々雪が降っていました。

そんな中、一通の書留が届きました。
「ピンポーン」
「はーい!」
「郵便局です」
「はいっ。少しお待ちください」
二階からトントンと降りて玄関に行くと、
雪の降りしきる中に女性配達員さんが立っていました。

受け取りのハンコを押して、郵便物を受け取ろうとしたときです。
その配達員さんはグイッと手を伸ばして
庇(ひさし)の下の雪がかからない場所に郵便物を差し出すと、
覆っていたビニールを取って、
きれいなままの書留郵便を渡してくれました。

ビニールを取る彼女の手、手袋はずいぶん濡れていて、
いくぶんかじかんでいるのか、やりにくそうでした。
それでも、一滴も濡れていない郵便物を私に手渡して、
少し微笑んだのが目元でわかりました。

もちろん仕事のマニュアルもあるのだろうし、
独自の達成感などもあるのかもしれないから、
勝手な想像はよくないことです。
けれども、感謝とねぎらいの短い言葉を発している私に、
否応なく通じて来た何物かがありました。

かっこよくバイクを駆使して、再び雪の中を去って行った配達員さんの
郵便愛と使命感です。

いつも音楽の仕事で感じている愛と使命感。
私の勝手な想像だとしても、
ここにもあった!と嬉しくなりました。

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